INTERVIEW

易きになじまず難きにつく

八尾凌介(Angel Bridgeアソシエイト)インタビュー

Angel Bridgeは、日々投資先のビジョンを叶えるため、起業家と伴走しています。そのAngel Bridgeメンバーの想いを、ここではみなさんにお届けします。 今回はアソシエイトの八尾凌介(やおりょうすけ)が、Angel Bridgeに入社した経緯や今後の展望等について聞きました。
八尾凌介アソシエイト
  • 2017東京大学大学院工学系研究科修士修了 2017-2020McKinsey&Company 2020Angel Bridge 入社
トップファームで培ったバリューアップ支援
トップファームで培ったバリューアップ支援

八尾さんは毎日どのようなタイムスケジュールで過ごしているのですか?

案件の検討状況によって流動的ですが、新しい投資先を探してくるソーシングと投資するかどうかの目利きに50%、既存の投資先の支援に30%の時間を使っています。またAngel Bridgeもベンチャーのようなものなので、残りの20%は会社の価値向上のためのマーケティング活動などに使っていますね。

Angel Bridge入社前はどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?

東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻で統計学などを勉強した後、新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーという戦略コンサルティング会社に入社し、3年ほど働いたのちにAngel Bridgeに転職しました。

なぜ新卒でマッキンゼーに入社しようと思ったのですか?

当時は日本の大企業が倒産しかけているという話がいくつか上がってきた時代で、そんな中で大企業に入っても何の保証にもならないと思いました。それよりも個人として力をつけることが必要だなと強く感じました。早く力を付けたかったので、年功序列ではなくもっと早い段階で責任を持てる環境がいいと思い、外資系企業に絞っていました。
また、大学院の俯瞰経営塾という授業がとても楽しかった事がコンサルを選んだ理由の1つです。この授業は毎週徹夜でグループワークをしてプレゼンするというのを10週間ほど続けるのですが、単位は出ないのにみんなそれに一番熱量を注いでいました(笑)。そのグループワークの中で、議論をつきつめることであったり、人にプレゼンするというのが非常に楽しいなと思い、適性があるのではないかと感じました。
また、環境は自分にとって非常に大事であると考えていて、周りが優秀だと自分も自然と頑張れると思い、面接やインターンシップを通して社員が非常に優秀で尊敬できると思ったマッキンゼーに入社を決めました。

入社後はジャンルを絞らず多様な産業に関わっていましたが、営業の組織改革やファイナンス系のプロジェクトに入ることが多かったですね。

マッキンゼーでの経験はVCの業務にどう生きていますか?

ストレートにVCの業務に生きていると思うのは、やはり投資先のバリューアップ支援ですね。
マッキンゼーは大企業を相手に課題解決をしますが、ベンチャー企業においても課題解決のステップは一緒だと思っています。スピード感、規模感は違いますが、課題を特定してソリューションを出し実行するという進め方は、共通するところがあると思います。

マッキンゼーを経験して良かったと思うことはありますか?

想定していた通りですが、優秀で尊敬できる人が沢山集まっていて、高度で汎用的なビジネススキルを身につける環境として非常に良かったと思います。
また、クライアントに感謝された瞬間にはとてもやりがいを感じましたね。一つ印象的で思い出に残っているのは、3か月ほど常駐していたプロジェクトが終わった時の事です。クライアントに表彰式のようなものを開催していただき、社長や専務、カウンターパートだった部長から花束や表彰状を頂いたんです。そのような場面において、非常にそのプロジェクトをやってよかったと思いましたし、企業を支援して感謝されるということに自分はやりがいを感じる人間なんだなと分かりました。これはVCの業務にも繋がってきますね。

マッキンゼー出身の人はどういったセカンドキャリアを選ぶことが多いのでしょうか?

ベンチャー企業に行く人が多い印象がありますね。アーリーステージのベンチャーからレイトステージのベンチャーまで様々です。他には実際に起業したりする人もいますし、PEファンドやVCを選ぶ人も増えている印象です。

八尾さんはなぜVCに転職しようと思ったのですか?

スタートアップに強い関心があったというのが大きな理由です。自分自身も起業したいと思ったことが過去にあるので、自分でリスクを取って起業している起業家の方々は本当に素晴らしいと思いますし、尊敬の念を持っています。そういった人たちと働くことができる環境が自分にとって魅力的だなと思いました。
また、新しいことにチャレンジして成長したいという想いも強かったです。マッキンゼーでは既にある程度完成したビジネスをさらに良くすることを学んでいましたが、今度はゼロイチのような、何もない状態からスタートするといったステージで学びたいと考えていました。

修羅場の数だけ成長できる
修羅場の数だけ成長できる

なぜ数あるVCの中からAngel Bridgeに決めたのですか?

最初はあまりVCは転職先として検討していなかったのですが、Angel Bridgeの代表パートナーである河西と話して非常に面白いと思い、他のVCはあまり検討せず決めました。
何が良かったかというと、まずメンバーが非常に魅力的でした。一緒に働く人はとても大事だと思いますが、まず代表の河西は一度話して凄く優秀だと思いましたし、面倒見もとても良く、私自身の成長にもコミットしてくれるような印象を持ちました。また、共同創業者の林の包容力・人間力もとてもバランスがとれていたので、この組織で働きたいと強く思いましたね。
さらに、Angel Bridgeが真の意味でスタートアップの支援をしているVCだと思えたことも大きいです。河西と話すなかで、例えば会社を創業する段階から一緒にやるだとか、投資後もかなり時間を割き一つ一つの会社に対しオーダーメイドで支援を提供するというのが、非常にやりがいがあると感じました。ソーシングをして投資をしたら後はあまり関与しないというスタイルのVCもある中で、投資後も一つ一つの会社と伴走し、その結果として社会に価値を見出すというサイクルを大事にしたかったので、そういった想いをもったVCであるということが決定要因として大きかったです。
また、Angel BridgeはVCですがまだまだ少人数なこともあってベンチャー気質であり、色々とやりたいことにチャレンジできるというのも良かったですね。

Angel Bridge入社後は具体的にどういった支援をしましたか?

例えば見積もりプラットフォームを提供しているミツモアを例にとってみると、最初はとあるカテゴリーで成約率が低迷しているという課題があり、成約率を向上させるための施策を考えてほしいというお題をいただきました。その後成約率のデータをexcelでもらい分析し、どういったケースで成約率が低いのかを見ていく中で施策をいくつか出し、CEOの石川さんとディスカッションをして優先順位をつけ、実際にその施策をやってみるという一連のサイクルをお手伝いさせていただきました。
その後も新しいカテゴリーをローンチするときの事業モデルの構築であったり、既存カテゴリーの価格改定のプライシングについて、ミツモア利用者に沢山電話をかけて情報を集めて提案するといった支援も定期的に行っていますね。
また、不動産DXに取り組むBluAgeでは、営業の組織改革を支援していました。これはマッキンゼーでやっていた領域に近かったので経験が活きましたね。
当時BluAgeは不動産の賃貸仲介をする営業員の組織を急激に拡大していたので、人によって売上高がばらついたり離職率が高いなど色々な組織の歪みが生じてしまっていたんです。こういった問題がBluAgeの従業員と話す中で見えてきたので、Angel Bridge側から問題提起をしました。
そこで、私が実際に各営業拠点に足を運び、営業員ひとりひとりと面談し、どういった課題意識を持っているのか、どういうところで悩んでいるのかを丁寧にヒアリングしました。すると沢山課題が見えてきたので、それらを全部取りまとめて施策を20~30個作り、CEOの佐々木さんに提案し、適切な人をアサインして最後まで実行するということを行いました。その結果1人当たりの売上高が20%程度改善しました、組織拡大に耐えられるようなマネジメントの仕組みや、今の組織の根幹となるようなチーム制の組織体制を構築することができたのは非常に良かったなと今振り返ってみて思います。

Angel Bridgeのパートナー陣は八尾さんにとってどのような存在ですか?

まず代表の河西は、ベンチャーキャピタリストとしての師匠だと思っています。
投資家はよくサポーターなどと言われますが、投資家と起業家の間には上下関係はないですし、実に難しい関係性だと思います。そういった関係性の中で、言いづらいことだとしても、会社のためを思って自分が正しいと思うことをしっかり伝えるという姿勢は、見習いたいと常に思っています。
林に関してはもっと広く人生の師匠だと思っています。一番学んでいるのは人間力ですね。VCに転職してからずっと感じていますが、ベンチャーキャピタリストとして人と人とのつながりはとても大切であり、林はその点に関して非常に長けていると思います。
厚い人望があって、例えば林会を開くと100人以上が集まる。そういったところの根幹にあるのはやはり人間力だと思うんですよね。それは林の普段の振る舞いだとかコミュニケーションによるものだと思うのですが、そういったところはベンチャーキャピタリストとしても人間としてもすごく大事なことだと思っていて、いつも学ばせてもらっています。

Angel Bridgeに入社して良かったと思うことはありますか?

まずは、当初必要条件としていた成長環境は思った通りでしたね。
マッキンゼーで働いていた時も思いましたが、人間は修羅場の数だけ成長できると思っています。スタートアップという存在自体が常に修羅場というのもありますし、VCとして複数の投資先を見ているなかで、必ずどこかしらで修羅場があります。常にそういったハードな課題に挑めることがモチベーションになっています。
そしてやはり尊敬している起業家の方々と仕事ができるというのが本当に刺激的ですね。 また、自分がいかに井の中の蛙だったかを認識することができたことも良かったです。今振り返ると、東大もマッキンゼーも同質な人間の集まりだったなと思っていて、家庭環境をとっても思考をとっても、近い人しかいなかったんですね。ですが、VCで働いていると色々なバックグラウンドや想いを持った起業家と話すことができ、世の中にいかに人間の多様性があるのかを認識できたのは非常に良い経験でした。

今後どんな人と一緒に働いていきたいですか?

ベンチャーキャピタル業務を楽しんでできる人ですね。どういう人が楽しめるかというと、色々な起業家と話すというのが業務の大半なので、知的好奇心があって、沢山の人と話すことが得意な人が向いている職業だと思います。

投資から社会への価値創造までやり遂げるということ
投資から社会への価値創造までやり遂げるということ

今後Angel Bridgeで働きながらどんなことを叶えていきたいですか?

まず自分自身としては、一人前のベンチャーキャピタリストになりたいと考えています。そのためにも、自分が信じた起業家に投資して、一緒に伴走して、結果として社会に大きな価値をもたらすという一連の流れを、しっかりやり遂げたいなと思いますね。
Angel Bridgeの投資先は社会に対して価値があるベンチャーばかりなので、世に認知されてプロダクトが広まることに非常に大きな意義があると思っています。
またアメリカと比べると日本のVCはまだまだ黎明期で、未成熟だと思っています。今まさに盛り上がりつつあると思うのですが、自分自身が日本を代表するようなベンチャーキャピタリストとなって、業界全体を牽引するような存在になりたいと考えています。

八尾さんが大切にしている信念についてお伺いしたいです。

私の人生哲学として、「易きになじまず難きにつく」という言葉があります。
大学時代に俯瞰経営塾でAGCの企業研究をする機会があったのですが、そのAGCを創業した岩崎 俊弥氏が作った言葉です。この言葉の通り、簡単な現状に満足して楽な道を歩むよりも、困難で険しい道を敢えて選んで歩んでいくことがとても大事だと思っています。
ともすると楽な方に逃げてなんとなく過ごしてしまいがちですが、あえて険しい道を選んで成長し、チャレンジし続けることで自分自身は成長してきたと思いますし、これからもこのチャレンジ精神を忘れずに、更に世にバリューを産み出していきたいと考えています。

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